
2007年8月16日いよいよ最終日の朝を迎えた。家族に会える楽しみと、登山の旅が終わる寂しさが入り混じった複雑な時間が流れる。昨日のような晴れ渡った空はそこにはなく、真っ白な空間と時折見せる日差しが寂しさを増幅させることになる。
6時過ぎに梅花皮小屋を出発するが、台風並みの風速と小雨が全身を打ち進む足取りも重くなる。門内小屋には7時半頃着き一休みしたあと扇の地紙を目指す。ここで梶川尾根か丸森尾根を選択することになるが、今年は丸森尾根を下ることにする。
梶川尾根は数年前に下ったことがあるが、丸森尾根もそれに負けず厳しい下りであった。言うことの効かない膝をだましだまし尾根を下ることになるが、登山で一番辛いのが下りかも知れない。疲れきった足は踏ん張りが利かず、油断をすると足を取られることになる。
夫婦清水から飯豊山荘まで一時間半を要したが肉体的にはこの時間が一番辛いと感じる時間である。コントロールを失って転んでしまえば擦り傷は勿論、骨折や大事故にもつながるかも知れない。
そんな辛い時間を我慢し自分の限界と戦い抜いた末の結果が下山である。この瞬間が登山で一番たまらない時であり、登山の醍醐味であると僕は考える。
丁度、TBSの情熱大陸のエンディングの様に、僕の頭の中には飯豊山縦断の旅を振る映像が流れ、そして葉加瀬太郎の「エトピリカ」が鳴り響くのである。
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